天然石をハンドメイドの視点から解説するラブラドライト編です。
私はハンドメイドスタッフとして8年間天然石アクセサリー制作に携わってきました。
今回はハンドメイド作家の視点からラブラドライトの特徴から取り扱いについて解説していきたいと思います。
これから天然石を使ったアクセサリーを作ろうと思っている方は
ラブラドライトの特徴や、使用時の注意点がわかる記事になっております。
ぜひ参考にしてみてください。
目次
ラブラドライトの特徴や歴史
1770年。それまでなんの変哲もなかった曹灰長石(そうかいちょうせき)という石に、とてつもなく綺麗なものが、カナダのラブラドル沿岸のセントポール島で発見されました。
それは虹色の閃光を放つ美しい天然石でした。これが今日における綺麗な輝きを放つラブラドライトとして浸透しています。
どのようにして輝いているのか?
結晶の特定の面に並行に金属鉱物の薄い層が繰り返して発達していることで、
層の境界で光が分解されて虹色(青や緑やオレンジに分かれる)に見えているという仕組みです。
難しい話を抜きにして、上のラブラドライトの画像をご覧ください。
これは正面から見たときです。ここから少し右や左に自分の見る位置を変えると、青の見える面積が変わってきます。
つまり見る角度によって輝き方が変わるというわけです。
ラブラドライトの主な産出国はカナダ・マダガスカル・フィンランド
国内では産出は見られないようです。
ラブラドライトの持つ石の意味
ラブラドライトは月の力という象徴があるようですが実際によく知られる意味としては
【信念を貫くお守り。他にもインスピレーション、創造力を高めるお守り】と言われています。
この天然石は石の意味よりもその天然石の美しさからブレスレットに取り入れたいというご要望の方が多いです。
ハンドメイド制作のオススメや注意点
ラブラドライトの入手難度
ここでいうラブラドライトの入手難度は綺麗なラブラドライドに出会えるか?
という部分が重要になります。
お店にいても、入荷してくるラブラドライトは毎回違う輝きをしています。
安価なものを選びすぎると輝きのないものになり、ラブラドライト特有の美しさが出し切れていないものになってしまいます。
私が出品しているラブラドライトブレスレットの素材は薄ピンクから青などに輝く珍しい個体です。出かけた旅先の石屋さんをみつけては、掘り出し物を探すということをしていた時期に確保したものです。
そのくらい目を光らせていないと、綺麗なラブラドライトは見つけるのが大変です。
価格も良いものになる程いいお値段になるので、価格的な悩みがあります。
素材選びの注意点
ネット購入も良いのですが、ラブラドライトは実際に自分の目で見て買うことがおすすめです。
というのも以下の内容が重要になってくるからです。
見せる角度が重要
たとえネットで綺麗な写真を見つけても、これが制作時に理想の角度で輝くとは限りません。
先に説明した【どのようにして輝いているのか?】という部分になりますが、光の分散で虹色に輝いています。
つまり見る角度によっては違うということです。
ルースの場合(アクセサリー細工されていない石だけの状態)
チョーカーにしようとする場合には、実際に胸元に当ててみて理想通りに輝くかをチェックしましょう。
万が一胸元でうまく輝かなくても、製作者側のスキル次第ではブレスレットに作り替えるなどして、輝きをもっとも表現できる作りにしてあげましょう。
ビーズの場合(穴の空いた天然石ビーズ)
穴の空いたラブラドライトのビーズは、ゴムブレスレットにする場合はビーズはクルクル回るので角度を気にする必要はありません。
ただ編みのように位置を固定する場合には光の当たり方を計算しながら編んでいきましょう。
おすすめの使用シーンや組み合わせ
ラブラドライトは個体によって色が全く違うので、毎回石にを合わせて変えていく必要があります。
紐を使った細工の場合
編みブレスレットを作る場合、黒・茶などは無難に合わせやすいです。
石の輝きはどれも世界に一つなので、ラブラドライトを主役として使用する場合、スタンダードに合わせやすいのは黒・茶となります。
他のカラーを使う場合は、ラブラドライトに合わせる天然石の色を並べてみて、紐の色を決めましょう。
例えば青に輝く上記のような天然石なら赤を使っても、パッとインパクトを与える色味にできます。
天然石のおすすめの組み合わせ
大前提として私は天然石はあくまでアクセサリーとして扱います。よってスピリチュアルな相性・組み合わせというものとは一線を引かせていただきます。
ここではあくまでデザイン面における配色技術としておすすめを提示します。
ラブラドライトが主役の場合
主役よりも目立たない色をチョイスしましょう。
というのもその都度、使用するラブラドライトの色合いによって変わるからです。
ラブラドライトが主役ではない場合
これまで色々な方のラブラドライト入りのブレスレットを作ってきましたが、ラブラドライトの輝きは見る角度で変わるのでそこまで気にかける必要はないのかもしれません。
ラブラドライトの硬度
天然石にはモース硬度というものがあり、鉱物の硬さを図るものさしみたいなものです。
1〜10段階で分けられており最大値の10が最高硬度で、ダイヤモンドとなっています。
ラブラドライトの硬度は6~6.5。水晶が7なので、水晶に比べればやや柔らかいという程度で、そこまで気にかけるレベルではありません。
硬くても割れないわけではない
ハンドメイドでラブラドライトを使う場合は多くの場合、穴の空いたビーズを使うことになります。
ルースよりもビーズの方が注意すべきでしょう。
ラブラドライトのビーズに紐を通す際には圧力がかかりすぎると、割れてしまうケースもあります。
先述した通り硬さは心配するレベルではないのですが、どんな石でも衝撃や圧力には弱いです。
ハンマーで叩けばもちろん割れます。何かに思いっきりぶつけてしまった時は割れる可能性はあります。
また圧力がかかりすぎると、負荷に耐えきれず割れてしまうケースがあります。紐を通す場合はゆっくりと石から手に伝わる摩擦の感覚に気を配りましょう。
※私はルビーのビーズ穴に紐を通そうとした際に、圧力がかかりすぎてルビーを割った経験があります。ちなみにルビー(鋼玉)はダイヤモンドの次に硬いとされる硬度9を持つ石です。
つまりそんな天然石でも割れることがあるということです。
まとめ
- 光の分散で虹色に輝いている。
- 信念を貫くお守り
- お守りの意味よりその美しさから人気がある
- 綺麗な個体の入手は難しい
- 素材を探すときはなるべく、実際に見るのが良い
- 製作時には角度が大事!
- おすすめの組み合わせは個体によって合わせる必要がある。
- どんな石でも衝撃や圧力には弱い
ラブラドライトはその魅力的な輝きから、石の意味に関係なく人気を誇る天然石です。
製作者視点から言うと、ラブラドライトを見せる角度はよく考えてからデザインを決めるべきです。
「綺麗だなぁ」と思って購入しても、いざアクセサリーにしようと思った時には
ネックレスにすべきかブレスレットにすべきか、その石の輝きの特性を見てあげながら決めてあげましょう。
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