集団で働く職場において、問題行動を起こすスタッフの存在は、チームの生産性や士気に深刻な悪影響を与えることがあります。
業務上の不服従、反発行為、度重なるクレームなどの問題行動は、チーム全体のパフォーマンスを著しく低下させる可能性があります。
私は数年前まで管理職を経験していました。
この度私が関わり、数々の問題行動を起こしてきたAさんが退職するにあたり情報を解禁し、
私の経験をもとに管理職が直面するこのような職場環境を改善するための対応策を、体験談をもとにお話ししたいと思います。
目次
問題行動の種類と影響
問題行動を起こすスタッフは、職場の雰囲気や生産性に負の影響を及ぼし、
他のスタッフのモチベーションを著しく低下させる可能性があります。
このような問題に直面した際は最優先で対処すべき課題です。
私の体験したケースをもとにお話をしていきます。
今回の問題スタッフをAさんとします。
Aさんの問題行動がどういったものだったのかは具体的には伏せますが、主に
- 自己中心的な考えからの業務不服従や反発行為
- お客様からのAさんへの接客態度における度重なるクレーム
- 始末書ものの問題行動・発言
- 他店舗の管理者からも問題発言・問題行動におけるクレーム
と問題行動の絶えない問題児でした。
管理職としての初期対応
Aさんも初めから問題行動ばかりではありませんでした。
行動に誤りがある時にはその都度アドバイスや注意という形をとっていました。
即時の対応の重要性
問題行動が明らかになった際、迅速かつ適切な対応はさらなる問題を防ぐために不可欠です。
問題行動を早期に特定し、時間が経ち過ぎる前に適切な指導を実施することで、問題行動の修正を行います。
コミュニケーションの重要性と継続的なフォローアップ
対話を通じて問題の根源に迫り、改善の余地を探ることは、職場の調和を取り戻す上で重要なステップです。
そのためにも普段からコミュニケーションをとるように行動する必要があります。
良好な関係を築くことで、相手に話を聞いてもらう環境を作ります。
問題行動を改善するための取り組みは、一度きりのものではありません。継続的なフォローアップとサポートが、長期的な改善につながります。
しかし、私が遭遇したAさんは上記の取り組みに最初こそ向き合ってくれていましたが、徐々に本性が現れてきました。
私も初めは根気強く指導やアドバイスを続けていましたが、管理職も人間です。
自分の気持ちが最優先で話を聞くつもりがなく、周りを理解しようとしない人に、
真剣にコミュニケーションを取り続けることにストレスを感じるようになり、次第に溝が深まっていきました。
最終対応: 解雇の考慮
ここまでで、改善の様子が見られない場合、
ここからは会社の方針や理念に基づいた行動が取れていないと判断されます。
契約書に書かれている行動に則しているか
入社する際には契約を交わします。
そこには雇用において、禁止事項であったり、こういった行動は規約違反とする、
といった旨が記されていることがあります。
そういった規約にもつづき、本当に業務適性があるのかどうかを判断する必要があります。
判断が遅れると悪循環に
私の場合は当時の上司であるエリアマネージャーと現場管理者の私、
Aさんの三者面談となり、話し合いが執り行われました。
その時はエリアマネージャーの「誰にでもチャンスはある」
という見解からこれまでの問題行動に対し、エリアマネージャーからの指導という形でその場を収められました。
しかしこの事なかれ主義な判断が原因で、この先も最悪の結果を産んでいきます。
その後1年も経たないうちに、始末書を書かないといけない問題が発生。
結局私のケースの場合は現場がぐちゃぐちゃになった挙句、Aさんは異動という形で事を収めることになりました。
この時は、私も管理者としての力不足を痛感しました。
しかし、問題児はどこに行っても問題児でした。
Aさんはしばらく本性を隠していたようですが、すぐにボロが出て、あちこちから
「Aさんがいるからあの店には行かない」という声を耳にすることになりました。
もっと早く退職を勧めていれば、今日まで周りの多くの人が苦しめられることを避けられたでしょう。
Aさん自体も適性のない職場で無理をしていてもメリットがありません。
結局、会社の中途半端な対応のために現場は疲弊し、この度Aさんの自己都合による退社に至るまで、誰も何もいえない状態のまま我慢の日々を過ごすことになりました。
問題行動を放置することで発生する悪循環
問題行動を起こすスタッフがもたらす悪影響は多方面に及びます。
一緒に働くスタッフのモチベーションダウン
これは管理者も含めてですが「次はどんな問題を起こすのか」と普段から気が休まらない状態を強いられます。
現場はピリつき、お客様もその緊張感を察知します。
顧客様からのお店の信用失墜
これが非常に深刻で、「Aさんがいるから、最近は姉妹店に顔を出していないのよ」
という声をあちこちから耳にしました。
企業の信用失墜
お店の評判が下がるということは、お店を運営する企業の信用のダウンです。
契約している関係会社との信用の失墜
たとえばテナントとして間借りして出店している場合、ディベロッパーからも悪い印象を受ける場合があります。
Aさんの場合は、上記全てを網羅した猛者でした。
採用プロセスの見直し
将来的な問題を防ぐためには、採用段階で適切な人材を選定することが重要です。
「採用プロセス」の改善は、職場の健全な文化を築くための基礎を形成します。
書類に書かれている素晴らしい経歴やスキルも、その人の人柄と天秤にかけたら些細なものです。
重要な選別方法として、採用したとして現場のスタッフと良好な関係、環境作りができそうかを面接で判断する必要があります。
- 時間通りに面接会場に来るのか
- 服装などからもその人の特徴を見極められます。
- 言動にも注意を払います。別に敬語が上手にできる必要はなく、時折不意に出る本性を見極めます。
これは面接経験のある管理者ほどよく知っているところかと思いますが、
長年多くの人を見てきていると、直感で見抜くことができるようになります。
こういう時の「この人はまずい」という直感は正しいことが多いかもしれません。
まとめ
問題行動を起こすスタッフへの対応は、管理職にとって避けられない課題です。
長く多くの人を見る仕事をしていると、立ち振る舞い、言動から、数分でどんな人間かわかるようになってきます。
Aさんのようなスタッフを職場に野放しにすると、周りのスタッフに悪い影響が及びます。
- まずは採用時点で見極めること。
- 入社してもアドバイスなどで改善を図る
- 改善が見られない場合、上司に相談し解雇の選択肢を探る
私のケースの場合は、会社が適切な対処を取れなかったため、現場の人間にとっては苦しい数年間を強いられました。
企業において採用を決める方、エリアを見る管理者(会社としての判断)は、
問題行動を起こすスタッフが及ぼす悪影響を理解し、適宜対応してもらいたいものです。
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